今から1500年以上も昔の大和時代、なだらかな山々は「くぢ」と呼ばれていました。まだ日本人が文字を持たない時代のことです。谷間を示すことばは「や」といいました。その大和ことばの「くぢや」がなまって「ぐぢゃう」。なだらかな山の谷合いの土地という意味です。やがて漢字が渡来するとそれに「郡上」の文字が充てられました。
そんな古いゆかりの山里には知られざる歴史遺産や気の遠くなるような太古からの歴史を秘めた鍾乳洞。そして四季折々の自然景観がひろがっています。町歩きからぬけだして豊かな自然の中で過ごすひとときを提案します。
郡上八幡観光協会制作の「城下町みどころマップ」はこちらからプリントできます。
市街地から山ひとつ隔てた安久田、美山地区は石灰岩層からなるカルスト地形がひろがり、その地底には大地にしみこんだ地下水が気の遠くなるような歳月をかけて作り出した神秘の世界が隠されています。その洞窟の数100以上とも言われますが、次の3カ所が観光鍾乳洞として公開されています。
地底の奥深くに一条の滝が流れ落ちています。その高さは30メートルあり地底の滝としては日本一の高さ。他にも40メートルの高さを4段になって落下する四段の滝(残念ながら非公開)もあり、豊富な地下水が作り出したさまざまな鍾乳石の造形がみられます。
鍾乳洞の入り口までの急な斜面を全国でも珍しい木製のケーブルカーが往来しています。
市街地から車で25分
入洞料:1000円 (0575-67-1331)
縄文時代の古代住居の跡が洞内で発見されたのでこの名があ ります。石筍林の美しさが特徴で、比較的段差が少ないため、洞窟内の照明を消して懐中電灯をたよりに洞内をたどる探検ツアーが新しい試みとして行われています。こちらは子供たちだけでなくスリルを楽しむ大人にも人気。
市街地から車で25分
入洞料:500円 (0575-67-1331)
市街地からひとつ峠を越えた美山地区あ り、日本で最大級の立体迷路型と呼ばれる珍しいタテ穴式の鍾乳洞です。
立体迷路型とは地下水が上から下へゆっくりと石灰岩層を溶かしてゆき、地中に段差をつけながら幾層にわたって洞窟が展開するもので、柔らかな曲線を描く壁面や鍾乳石は「胎内くぐり」の感があります。開発の際も人工の手を加えず郡上市の天然記念物の指定をうけています。
市街地から車で30分
入洞料:大人900円、小人500円
(0575-68-2321)
北アルプスや御岳、白山連峰を望む標高1600メートルの吉田川の源流域にひろがる4つのゲレンデと14のコース。
西日本で屈指の規模を誇ります。中でも最長5キロに及ぶ滑降コースが自慢。
また敷地内に天然温泉湯星館がありスキーの後は温泉で汗を流して疲れをいやすことも可能です。
またゲレンデから至近距離にある宿泊施設はこちらです。
市街地から車で40分
郡上八幡と飛騨高山をむすぶ観光ルートですが、いくつもの川の源流地帯と白樺、からまつの樹林を縫って走る景観の美しさで知られています。特に紅葉の美しさは多くの人を魅了します。
また吉田川上流は渓流釣りには絶好の地。巨岩に狭められた激流が荒々しい景観を展開する天竜峡などの景勝地があります。
市街地から車で45分
長良川の清流に沿って走る国道156号線は別名「さくら道」と呼ばれます。それは国道沿線のいたるところが見事な桜に彩られるからで、郡上八幡は4月上旬から。標高の高い白川郷周辺では5月上旬にかけて桜前線が北上してゆきます。
これは太平洋と日本海を桜並木でつなげたいという夢を抱いてその生涯を桜の植樹にささげた旧国鉄バス名金線の車掌佐藤良二さんの努力とその遺志を継いだ地元の人の力によるもので、その努力を称えた「さくら道ネイチャーラン」が毎年5月に開催されます。
名古屋から金沢まで桜の下を走り抜けるというその優雅なイメージとは裏腹に日本屈指の過酷なレースとされています。
天暦年間(947~956)に藤原高光によって建立されたと伝えられ、山岳信仰の隆盛を今に伝えています。
明治維新の神仏分離政策をまぬがれて、神社でありながら仏像が安置されるという古い神仏混淆の姿を残している貴重なものでご神体(ご本尊)は金銅宝冠虚空蔵菩薩座像(国指定重要文化財)。平安時代から鎌倉時代にかけての懸け仏が247面残されているのも特徴です。
神域は樹齢500年をこえる杉やヒノキが鬱蒼と茂り、かつての権勢をよそに静まりかえっており、あたかも修験者が潜んでいそうな、また神々の囁きがどこからか聞こえてきそうな雰囲気です。
市街地から車で25分
仏像や宝物は宝蔵庫に保管されており4月13日、14日の例大祭のみ一般公開されます。
ナンテン(南天)は難転に通じるところから縁起木として栽培されてきました。
市街地から山ひとつ隔てた安久田地区は全国でも有数の生産地として知られ、また 水上勉の戯曲「山襞」の貧しいナンテン売りの娘の舞台となったところです。
11月中旬にこの里を訪れるとそんな暗いイメージは払拭されて、燃えるように真っ赤に色づいた華やかともいえる山肌に息をのみます。この景観は朝日新聞の「日本絶景を訪ねる旅」に選定されました。
見ごろは11月下旬まで。12月になると出荷のため山肌のナンテンの数はだんだん減っていきます。
市街地から車で20分
郡上地方から飛騨にかけては、険しい山々に近代化が阻まれたことで日本の伝統文化や生活習慣が遺産のように残されました。
合掌造りで有名な白川郷、心のふるさと飛騨高山、伝統の和紙と商家の家並みが残る町美濃。
カナダの某紀行家は「ヘリテージ トライアングル(日本の文化遺産の三角地帯)」と形容しました。そして郡上八幡はそのほぼ中央に位置します。
郡上八幡と巡る日本の美の再発見の旅を提案します。
郡上八幡のお隣りの町。国指定の重要建造物群に指定された町並みは江戸時代さながらにうだつを上げた美濃和紙の問屋や商家がおよそ百軒、みごとに軒を連ねています。
郡上八幡から33キロ(車で25分)
北アルプスを望む日本人の心のふるさと。春と秋の高山祭りは日本三美祭のひとつとして有名です。
郡上八幡から80キロ(車で1時間20分)
ユネスコの世界遺産に登録された合掌造りの集落です。隣接する富山県の五箇山や菅沼集落も鄙びた趣きがあります。
郡上八幡から85キロ(車で1時間20分)