「ちびまる子ちゃん」や「コジコジ」で有名な国民的作家のさくらももこ先生がたまたま取材で訪れた郡上八幡に魅了され、訪問を重ねるうちに「頼まれてもいないのに勝手にキャラクターを考えてみた」(ご本人の弁)と、誕生したのが新作地方まんが「GJ8マン」です。
ストーリーは郡上八幡でのんき気に暮らす少年がGJ8マンに変身して悪を成敗するずっこけヒーローアニメ。郡上八幡を流れる清らかな水だけが唯一の”武器“。郡上八幡のなにげない風景や郡上おどり、長良川鉄道などが巧みにアニメのストーリーの中にとりこまれています。そしてすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、GJ8マンの名は郡上八幡の頭文字『Gu Jo 8 man』からきています。
岐阜県に郡上八幡という小さな町がある。
私はこの町が大好きだ。観光地としては地味なほうかもしれない。何か歴史的な建造物や景色などがたくさんあるわけではない。
町の脇をきれいな川が流れ、町中をきれいな水が走り、町のいたる所できれいな水が飲めるように水飲み場がある。郡上八幡は水自慢なのだ。オオサンショウウオも住んでいるほどその水はキレイだ。 当然アユもいる。ウナギもおいしい。
山の上には郡上八幡城が見え、このしみじみとした町並みは城下町のせいなんだなと改めて思う。 郡上八幡は、ちょっと観光地だけどみんな別に観光客を期待せずに日常生活を送っている。
そこに美しい自然や町並みがあってもそれが普通なのだ。そんな感じが好きな人にはたまらなく良いと思わせる町だ。もちろん、私もたまらなく良いと思っている。
春には『郡上八幡春まつり』というかなりストレートな名称の祭りがあり、桜の頃の町がざわめく。夏には『郡上おどり』という祭りが何日間も行われ、町はひとつのウェーブとなり力強い盛り上がりを見せる。秋は吸い込まれそうな青空と紅葉の中に身を置き幸せを感じ、冬は真白い雪を見ながらしし鍋を食べる。
この町を嫌いだと言う方が難しい。謙遜しても『日本によくある普通の城下町だけど私は好き』と言うのが精一杯だ。 このように一方的に郡上八幡を愛し、頼まれてもいないのに勝手にキャラまで考えてみた。
(原文のまま2016 10.05)