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城下町の家並み
     

職人町、鍛冶屋町といった町名にひかれてそぞろ歩けば、そこには古い家並みとその軒先をほとばしるように流れる水路があります。

住まいの形式は京都に似て、間口は狭く奥に深い造りです。観光向けに整備された町並みではありませんから、普段着のままの町の暮らしを垣間見ることになります。

   
職人町
     

町割りは寛文年間(1660年ごろ)に整備されたものですが、そののちも2度の大火に見舞われ、町中を縦横にはしる水路は実は防火目的のものでした。

また城下の防禦のため辻のつきあたりには「8家9宗」の寺が配置され、現在も狭い町ながら13の寺が甍を連ねます。

最勝寺大門の町並み    

1692年(元禄5年)の城下町家帳によると職人町に28軒、鍛冶屋町には22軒の家々が並んでいました。

うちその名のとおり鍛冶屋が最も多く8軒。医師が5軒、桶屋が3軒、馬医師2軒のほか、大工、畳屋、塗師屋、仕立て屋、紺屋、酒屋など実にさまざまな職人や商人が住んでいたことが記されています。当時の人々の生活ぶりがうかがえる興味深い記録です。

 

   
鍛冶屋町
郡上八幡で通称北町と呼ばれる城下の3本の道筋のうちお城の膝もとの柳町は侍町として侍が多く家を構えていました。
真ん中の殿町は今でいう官庁街。下御殿はじめ家老屋敷やお馬舎などが並んでいました。
職人町から鍛冶屋町、本町にかけてがいわば庶民の町で間口2間の職人の家からうだつをのせた立派な大だなの商家までが軒を連ね、今でも通りのあちこちにそのおもかげを見ることができます。
住む人の人柄がうかがえる格子の飾りつけ    

「美しい日本の歴史的風土百選実行委員会」(平山郁夫氏顧問)は平成19年1月31日に、次世代に継承すべき美しい日本の歴史的風土百選を選定し「城下町郡上八幡の町並み」がそのひとつに選ばれました。

百選に入ったのは郡上八幡のほか、お隣り美濃市の「うだつのあがる歴史的町並み」、「城下町飛騨高山の町並み」そして「白川郷、五箇山の合掌造り集落」などです。このように隣接する町や村がそれぞれ豊かな歴史とその風土を守り一同に指定をうけたのも、全国であまり例のない地域といえます。

美しい日本の歴史的風土百選のHPはこちら

 
古めかしい看板,「かみゆい」って何だかわかりますか?
     
柳町と郡上八幡博覧館
柳町の家々は侍町のおもかげを残しており、隣家との境に袖壁をもつのが特徴です。これは屋根の軒出しを支えるとともに長屋のように密接した家々の防犯や延焼を防ぐためのものでした。
   
柳町筋
     
「郡上八幡博覧館」

この辺りの町並み保存運動に連携して大正時代に建てられた旧税務署の外観をそのまま残した建物です。内部は、郡上八幡の「水とおどりの城下町」のキャッチフレーズにそって歴史、伝統、水環境や郡上おどりなどがテーマ別にわかりやすく展示してあります。

入場料:500円(年末年始のみ休館)
詳しくはこちら

郡上八幡博覧館    
     
やなか水のこみち
繁華街の新町から角を曲った町なかの一服の清涼剤のような路地。
玉石を敷きつめた道と水路、柳の並木、大きな家屋敷。歩いている人がみんなちょっといい顔になる小道です。
この道をはさんで「奥美濃おもだか家民芸館」「斎藤美術館」「心の森ミュージアム遊童館」があります。
   
やなか水のこみち
     

「奥美濃おもだか家民芸館」
鮎の画家として名高い水野柳人が集めたこの地方の民芸品を展示しています。

入場料:250円(年間無休)

「斎藤美術館」
茶人であった斎藤家のお茶道具、書画を展示。母屋の建物は国の登録文化財に指定されています。

入場料:300円 (木曜日休館)
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斉藤家の母屋(手前)とおもだか家民芸館(奥)    
     
「心の森ミュージアム遊童館」

画家であり造形作家の水野政雄氏の作品館。和紙の造形や折り紙で大人も童心になって楽しめるユニークな館です。

入場料:300円(木曜日休館)


心の森ミュージアム遊童館から見下ろすやなか水のこみち

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ここからさらに西へ15分歩くと、

「郡上八幡民芸美術館」があり横山大観、前田青邨など現代日本画家や陶磁器、蒔絵の美術品が展示されています。

入場料:350円(木曜日休館)

 
     
食品サンプルの町

おいしさを「目」で伝える食品サンプル。レストランのショーウィンドーを飾るおなじみのものですが、もともとこのアイデアはこの町で起こり、今でも全国生産の7割を誇っています。
「思わぬものが思わぬところで…。」という感じ。市内には業界最大手の岩崎模型の「サンプルビレッジいわさき」や古い民家を利用した「さんぷる工房」などの、展示販売や製作体験施設があります。

「旭サンプル工房」0575-65-4887
入場料:無料(制作体験は有料で予約が必要です。)

「サンプルビレッジ いわさき」0575-65-2832
入場料:350円(制作体験は別料金で予約が必要です。)

「さんぷる工房」0575-67-1870
入場料:無料(制作体験は有料で予約が必要です。)

おいしそうですが究極のニセ物 食品サンプルです。    
     
郡上八幡旧庁舎記念館

ここは郡上八幡を訪れる観光客の休息、便宜を図るユニークな施設です。
町の中心、新橋のたもとにあって、吉田川の大瀬(だいせい)とよばれる早瀬を見下ろし「ちょっとひと休みする」には格好の場所。

建物は旧郡上八幡町役場で国の登録文化財の指定をうけています。内部は郡上八幡の特産品の展示販売や軽食、2階は郡上おどりの体験会場となる「かわさきホール」。

郡上八幡観光協会もここにあります。季節のおすすめ、見どころ味どころ、郡上ことばでお手伝いいたします。どうぞお気軽にお立ち寄りください。

入場料:無料(年末年始のみ休館)

「郡上八幡楽芸館」

旧庁舎記念館の向かい側にあり洋風外観の建物は、国の登録文化財です。明治時代の旧病院を再現したほか市民ギャラリー,隣りの足軽屋敷の建物は町方民俗資料館になっています。

入場料:200円(月曜日休館)

Gujo Hachiman Kinenkan Tourist Centre
郡上八幡旧庁舎記念館
     
     
釈迢空の歌碑
歌碑

国文学者として知られる折口信夫(釈迢空)は大正8年(1919年)の夏の終わりに郡上八幡をおとずれました。
しかしその時の郡上八幡は直前に起きた北町大火により町の半分が焦土と化していました。その災事を詠んだ歌が碑に刻まれています。

「焼け原のまち(町)の最中(もなか)を行く水の せゝらぎ澄みて秋近づけり」


歌碑の書は郡上八幡が生んだ書家野田白都によるもの。城山の崖が吉田川に迫り出した小坂歩危と呼ばれるこの新橋のたもとが大火の最後の鎮火地点であったためこの地を選んで建立されました。また石碑の表面に絶えずしたたり落ちる湧水は災事の鎮魂を意味しています。ちなみに折口信夫はこの旅でもう一首の歌を残しました。


「ぐじゃう(郡上)のやま(山)かぜ(風)なりすぐる かそけさやまたはかへらぬ人をおもふに」

     
 
城下町郡上八幡の散策モデルコース 
 

郡上八幡観光協会がおすすめする3つの散策コース。観光の目的と時間にあ わせてお選びください。観光協会にお越しいただければ地図にその季節のアドバイスをそえてご案内いたします。

  • 郡上八幡は道路のせまい昔ながらの城下町です。車の入れない箇所もたくさんあ ります。車を駐車場に置いてのんびりと歩いての観光をおすすめします。城下町のおもな見どころは旧庁舎記念館を中心にすると、半径歩いて15分の範囲内にあります。
  • 郡上八幡城をふくむ3つの市営博物館と6つの民間美術館が手をむすんで「城下町見どころ手形」(1500円)を発行しています。これですと通常3000円の入場料がその半額です。またそんなにたくさんは見てまわれない、という人のためには2館、3館で共通券を出しているところもあ りますのでこちらも観光協会におたずねください。
     
城下町コース(所要時間1時間30分)
侍町のおもかげを残す柳町、職人町、鍛冶屋町などの古い町並み。宗祇水、やなか水のこみちをまわります。時間に余裕があれば郡上八幡城への登城や博覧館、美術館の見学を加えるとより楽しいものになります。
   
柳町
小京都寺めぐりコース(所要時間3時間)
小京都の13ヶ寺を巡ります。各寺院には押印が用意されていますから、最初のお寺か郡上八幡観光協会でぜひ寺めぐりマップを手にいれてスタートしてください。
Gochikuin Temple in Spring Rain
   
小雨に煙る悟竹院
     
水の町コース(所要時間2時間)
江戸時代に築かれた御用用水はじめ、名水百選の宗祇水、洗濯風景の見られるいがわこみちなどをまわります。島谷用水の全貌や吉田川親水歩道を加えれば、水環境の教育学習にも役立ちます。
Laundry Day!
   
いがわこみち(島谷用水)
     
郡上八幡の住まいに見る小京都
 
撮影にご協力いただきましたこれらの邸宅は、個人のお住まいであり、公開はされておりませんのでご注意ください。新町の斉藤家が代表的な郡上八幡の町屋として一般に公開されています。
     
坪庭
寛文年間(1660年ごろ)に京都をならって区画割りされた郡上八幡の町並みはせまい間口に対して奥行きの長い短冊形の町家屋です。「うなぎの寝床」とも呼ばれる細長い町屋。
そこで店の棟と奥の住居の棟の間には通気と採光の機能をもつ坪庭が不可欠となりました。
店の奥には表通りからは見えない美しく小さな空間があるのです。
きちんと鋏みの入った植え込みに灯篭や手水鉢が配置され、一木一草がいきいきと呼吸している… 。
その本来の機能を発揮しながら、城下町の町屋に住む人の美意識によって完成されたひとつの庭園様式。郡上八幡の町の奥深さ、そして人のおくゆかしさがうかがえます。

 
   
高橋家の坪庭
  格子
今では数少なくなってしまった格子造りの町屋も、かつてはその格子を見ればその家の職業が分かるほど多彩でした。
酒屋や味噌屋は重い樽がぶつかってもいいように太い「酒屋格子」。
格子の上部を切り取って明り取りをしているのは、糸を見分けるため光が必要な糸屋の「糸屋格子」。
上三本が切ってあれば糸屋で、二本なら呉服屋であったそうな。
紅殻に塗られているのは檜、杉などの良材五木の使用を隠す課税逃れともいわれますが、本来はその木材の表面の保護が目的であったようです。
家によっては青竹を簡素な花入れに見立てて格子に掛け、一輪の花を飾る。
「道行く人」を重んじる「かど掃き、水撒き」など毎日欠かさぬ町びとのくらしのなかに、城下町ならではのささやかなおしゃれ気質もうかがえます。

庄村家の格子    
川座敷
吉田川の川べりには清流を見下ろす佳景のロケーションにありながら、雨戸を閉めたままの家がところどころに見られます。
これらは離れ家または川座敷と呼ばれ、冷房のなかった時代に涼しい川風のぬける「おおだな」の商家の別邸として建てられた家です。
これらの家々からは八幡城と吉田川を一幅の絵のように見立てることができる絶景の家や、北向きでありながら吉田川の水面に映る月を見下ろすことで月見を楽しめる趣向の家といった昔の風雅や遊び心が伝わってきます。
この自然と人の暮らしと歴史とが風景の中で一体になっているところがいかにも郡上八幡らしいといえるのではないでしょうか。
 
   
吉田川の断崖にたつ川座敷
  袖壁
郡上八幡の町並みの特徴のひとつの隣家との間に「しきり」があります。
これは袖壁と呼ばれるもので、屋根の軒出しを支えるとともに長屋のように密接した家々の防犯や延焼を防ぐためのものでした。
同じく防火の目的で軒下に吊り下げられた火の用心のバケツや半鐘。
台所に貼られる「火廼要慎(ひのようじん)」のお札、火伏せの神様として屋根上に祀られた秋葉さまなど町屋のファサードを構成するものには防火を意識したものが多く見られます。
     
     
近郊の見どころ

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大滝鍾乳洞の奇観 天の怒り

「大滝鍾乳洞」

郡上八幡から山ひとつへだてた安久田地区にあ り、地底の滝としては日本一といわれる高さ30メートルの王滝や40メートルの高さを4段になって落下する四段の滝(残念ながら非公開)があ り、豊富な地下水が作り出したさまざまな鍾乳石の造形がみられます。

鍾乳洞の入り口までの杉林の急な斜面を全国でも珍しい木製のケーブルカーが往来しています。

市街地から車で20分
入場料:1000円 (0575-67-1331)

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「縄文洞」

縄文時代の古代住居の跡が洞内で発見されたのでこの名があ ります。石筍林の美しさが特徴で、比較的段差が少ないため、洞窟内の照明を消して懐中電灯をたよりに洞内をたどる探検ツアーが新しい試みとして行われています。こちらは子供たちだけでなくスリルを楽しむ大人にも人気。

市街地から車で20分
入場料:500円 (0575-67-1331)

縄文洞の絶句の間
   
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「美山鍾乳洞」

美山地区あ り、日本で最大級の立体迷路型と呼ばれる珍しいタテ穴式の鍾乳洞です。地下水が上から下へゆっくりと石灰岩層を溶かしていった過程がわかり、郡上市の天然記念物の指定をうけています。屋外には藍染め体験や麺打ち体験のできる工房が点在し、鍾乳洞とともに小さなテーマパークを形づくっています。

市街地から車で30分
入場料:800円 (0575-68-2321)

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真珠の滝が滴り落ちる観音堂
   
フィールドミュージアム古今伝授の里  

中世の和歌研究の第一人者であった東常縁ゆかりの地大和町にある「和歌」をテーマにした学術施設です。和歌文学館、東氏記念館、大和和歌文庫などの建物がまわりの山々と一体になって散在し、伝統文学を視覚と自然風景の体感を通して理解するユニークな野外博物館です。

入場料:500円

市街地から車で30分

   
三巻から成る古今伝授書
せせらぎ街道

郡上八幡と飛騨高山をむすぶ観光ルートですが、いくつもの川の源流地帯と白樺、からまつの樹林を縫って走る景観の美しさで知られています。特に紅葉の美しさは多くの人を魅了します。また吉田川上流は渓流釣りには絶好の地。巨岩に狭められた激流が荒々しい景観を展開する天竜峡などの景勝地があります。

 

奥美濃有料道路通行料:400円(普通車)

 

   
錦秋のせせらぎ街道
那比新宮神社

天暦年間(947〜956)に藤原高光によって建立されたと伝えられ、山岳信仰の隆盛を今に伝えています。
明治維新の神仏分離政策をまぬがれて、神社でありながら仏像が安置されるという古い神仏混淆の姿を残している貴重なもの。


神域は樹齢500年をこえる杉やヒノキが鬱蒼と茂り、かつての権勢をよそに静まりかえっており、あたかも修験者が潜んでいそうな、また神々の囁きがどこからか聞こえてきそうな雰囲気です。

市街地から車で20分

 
   
那比新宮神社とその社
     
ナンテン群落地 安久田の里

ナンテン(南天)は難転に通じるところから縁起木として栽培されてきました。水上勉の戯曲「山襞」の貧しいナンテン売りの娘の舞台となったところですが、11月下旬にこの里を訪れるとそんなイメージは払拭されて、燃えるように真っ赤に色づいた華やかともいえる山肌に息をのみます。

市街地から車で20分

 

 
   
山肌が真っ赤に染まる初冬の安久田(あくだ)
     

足をのばせば

郡上地方から飛騨にかけては、険しい山々に近代化が阻まれたことで日本の伝統文化や生活習慣が遺産のように残されました。

合掌造りで有名な白川郷、心のふるさと飛騨高山、伝統の和紙と商家の家並みが残る町美濃。

カナダの某紀行家は「ヘリテージ トライアングル(日本の文化遺産の三角地帯)」と形容しました。

郡上八幡と巡る日本の美の再発見の旅を提案します。

郡上八幡から

  • 美濃へは、車で20分 バスだと40分(1時間おき、高速バスは不可) 鉄道ですと50分(1日に13本)
  • 高山へは、車で1時間10分 バスだと1時間30分(1日8本)
  • 白川郷へは、車で1時間10分 バスだと2時間(1日2本 途中荘川でのりかえ)
 
 
ユネスコ世界遺産に指定された白川郷
 
 
心のふるさと飛騨高山
 
   
うだつの町並みと伝統の和紙の町美濃