郡上おどり
   

「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」
の歌詞で知られる郡上おどりは400年にわたって歌い踊り続けられてきたもので、もともと江戸時代に士農工商の融和を図るため奨励されて盛んになったものです。


ですから観光客も地元の人もひとつ輪になって踊る楽しさがあります。
ここに郡上おどりは「見るおどり」ではなく「踊るおどり」といわれる理由があ ります。


お囃子と下駄の音、それに川のせせらぎが重なって山あいにこだまする夏の夜の風情。
圧巻は徹夜で踊る盂蘭盆会の夜明け近く、東の空が白々と明けゆく頃。
その時は歌い手と踊り手の息がピッタリと合って夜の短かさを惜しむように踊りがつづきます

   
踊りが最高潮になるお盆の深夜2時ごろ

郡上おどりについての専門的な説明や歴史の背景,歌詞などはこちらの「郡上おどり大百科」をのちほどごらんいただくことにして、ここでは解かりやすくQ&Aでおどりについての基本的なご案内をいたします。

郡上おどりへお出かけになる前に、また旅行を計画中のみなさんにご一読いただきたいページです。

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  (民謡や舞踊を研究する専門家のためのページです)
Q,郡上おどりはいつあ るの?


7月中旬から9月上旬にかけて32夜にわたって踊られます。
これは町内のあちこちでの縁日祭りにちなんでおこなわれるもので、新旧入り交じった感じがしないでもないですが、そのうちの多くからこの町に残る伝統や風習を垣間見ることができます。

踊り会場はひと夏で市街地を一巡し、城下の町並みの中や辻の広場で踊る日もあ れば、昔ながらに神社の境内が会場になる日もあります。
また山の中腹のホテルの駐車場までご足労ねがう日もあります。


なおクライマックスの徹夜おどりは、8月13,14,15,16日の4日間です。

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Q,特別な衣装はいるの?


踊りに必要な衣装はありません。
誰でも気軽に参加できるのが郡上おどりの魅力のひとつです。
でも町には観光客のためにしゃれたデザインの浴衣をレンタルする呉服店や、旅館によっては踊り専用の浴衣を貸し出すところもあ ります。
ただし、TシャツでもジーンズでもOKですが、下駄だけはぜひご用意ください。(高価な桐ゲタはだめ)
下駄を鳴らす音が、踊りの調子を高めるのが郡上おどりの特徴です。
民謡愛好会などのグループによく見られる草履に足袋…あ れはどうもいただけません。町のゲタ屋さんに飛び込めば足にぴったりの台にお好きな鼻緒を据えて世界でただひとつのあ なた用のげたをその場で作ってくれますし、何よりの旅のおみやげになります。
「かわさき」水野政雄  
 
Q,雨が降ったら踊りはどうなるの?
あ きらめるのはまだ早い…!小雨程度でしたら踊りはおこなわれます。
「雨も降らぬに袖しぼる」ほどの郡上おどりですから、「雨が降ったらズブ濡れる」ぐらいは平気です。
見物の傘の列の中を濡れながら踊るおどり好きの人たちのことをこの町では「踊り助平」と呼んでいます。
ただし、台風や集中豪雨についてはこの限りではありません。その時は文字どおり水に流してあ きらめてください。

   
Q,おどりは何種類あるの?
 

郡上おどりの種類は全部で10種類。
最初にはじまるのが「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる…」の歌詞でよく知られている「かわさき」。
旅館の会席料理にたとえるなら情緒豊かな前菜盛り合わせというところでしょうか…。

次に出てくるお刺し身にあたるのが活きのいい「春駒」。日本の民謡には珍しいアップテンポの踊りです。
焼き物の鮎の塩焼で骨抜きにてこずるように「三百」はちょっと間違えやすい踊り。

次の落ち着いた調子の「やっちく」は煮物にあたります。
「げんげんばらばら」と変わった名前で動きの早いこの踊りはいわば揚げ物。
やれやれと留椀にあたるのが「さわぎ」か「猫の子」。 たらふく食べて、呑みすぎてついつい見逃す水物は、「まつさか」といえるかもしれません…。

こういった踊りの配列は先人のアイデアとはいえスポーツ科学の上でも、とても合理的な順序になっていることが学説でも証明されています。
郡上おどりが徹夜ででも延々と踊り続けられる理由はここにあるのです。

   
   

郡上おどりの紹介

 

郡上おどり「かわさき」

一般に郡上おどりとされているのがこの「かわさき」です。落ち着いた歌詞や優雅な振り 付けに広く親しまれている踊りです。

     

郡上おどり「春駒」

江戸時代に馬の一大産地であった郡上にふさわしい踊りです。手綱さばきの勇ましい姿が 威勢のよい踊りの動きに取り入れられ、横笛の音は馬のいななきに、軽快なバチさばきの 三味線の響きは馬のひづめの音にさえ聞こえてきます。

 
     

郡上おどり「三百」

宝暦9年、郡上藩主として転封した青山氏は疲弊しきった藩民に身分の隔てなく300文 ずつ与えました。その感激と驚きに里人が地踊りを披露したのが起源です。稲束を投げる 所作や田げたで湿田を歩く動きなど素朴な農作業がフリや曲の歌詞にも取り入れられて います。

 
     

郡上おどり「やっちく」

城下町として栄えた郡上八幡には江戸時代末期になるとさまざまな旅芸人が入り込みまし た。その中で両手に八枚の竹片を連ねて鳴らしながら門付けして回った曲に素朴な振り付 けがついたものがこの踊りです。

     

郡上おどり「げんげんばらばら」

江戸時代の御殿女中の手まり遊びが踊り姿になったもので着物の袂を手繰る優雅なしぐさ がおどりの特徴です。

     

郡上おどり「猫の子」

かつて養蚕農家では蚕を食い荒らすネズミ退治に猫が大切に飼われていました。子猫の愛 らしい所作をまねして動きに取り入れ奔放におどる愉快なおどりです。

     

郡上おどり「さわぎ」

元禄時代に遊里で流行した騒歌(さわぎうた)が踊り化しました、派手な手拍子と歌詞に は男女間の情感を謡った艶ものが多く見られます。

     

郡上おどり「郡上甚句」

江戸時代末期に流行した相撲甚句が地相撲の盛んであった郡上に伝わり盛んに謡われまし た。土俵入りの動きが曲にうまく納まるというおもしろい特徴ももっています。

     

郡上おどり「古調かわさき」

天正年間(1580年代)に伊勢古市の川崎音頭が郡上の地にもたらされその起源となり ました。農耕の所作が踊り化されたもので歌詞にも作業歌が残されており、民俗資料とし ての価値が高いことから国の重要無形文化財に指定されています。

     

郡上おどり「松阪」

単調な節回しでありながらしみじみとした情感をただよわせるおどりです。古くからの伝統でこの松 阪がその夜では最後のおどりと決められています。

     
春の祭り,秋の祭り
   
郡上八幡春まつり大神楽

郡上八幡が桜に彩られるころ、町の三大神社である八幡神社、日吉神社、岸剣神社の大神楽が奉納されます。2日間にわたって3つの神楽が町を練り歩き、夜には神輿も繰り出して町全体が浮き立つような春の宵をむかえます。

この祭りが終ると郡上の農家の人々は苗代づくりにかかります。その昔、豊作を祈る心が春の節目であるこの祭りに込められていたのかもしれません。

 

  大神楽の舞い
千虎甘酒まつり
   
3月の第1日曜日に行なわれ、神田で収穫された米から仕込まれた甘酒6斗余りが参拝者にふるまわれます。梅が咲きそろい郡上八幡に春を告げる行事です。
春を呼ぶ甘酒まつり    
     
高雄神社大歌舞伎
     

稲穂が頭を垂れる10月の初めに市島地区でおこなわれる地歌舞伎です。200年の伝統をもつだけに大道具、小道具、舞台衣装にその積み重ねられた技が見られ、また深夜まで延々と続く村人総出の熱演ぶりは心にひびくものがあります。昼間は伊勢神楽が奉納され、地区は秋の豊作を祝う祭り一色に染まります。